- 昨日まで完食していたのに、今日はスプーンを払いのける
- 作ったものを見もせずに、いすから降りたがる
1歳半の食卓では、ご飯を食べない時期が急に始まります。
先週までよく食べていたのに、急に食べなくなりました。
作っても残されるばかりで、栄養が足りているのかも心配です。
1歳半は、離乳食を終えて体と心が大きく変わる時期です。
食べる量が減る理由や、いつまで続くのが分かると、不安な気持ちが軽くなると思います。
食べない日が続くと、作ることそのものがつらくなりますね。
ただ1歳半で食べる量が減るのは、育て方の問題ではありません。
離乳食を終えて成長のスピードが落ち着き、同時に自分で決めたい気持ちが育ってくる時期だからです。
この記事では、助産師であり年子のきょうだいを育てている私が、1歳半の食べない時期について書きました。
原因と工夫だけでなく、厚生労働省の調査をもとにいつまで続くのかにも触れています。
食べムラが終わる時期に決まりはありませんが、困る家庭は年齢とともに減っていきます。
国の調査では、「むら食い」で困っている保護者は2〜3歳未満の33.4%から、5歳以上では18.6%まで下がっていました。
全部を読まなくてもかまいませんので、今いちばん知りたいところから読んでみてください。
1歳半で急に食べない原因


1歳半で食べる量が減る背景には、体の変化と心の変化が重なっています。
原因は大きく以下の4つに分けられます。
- 離乳食を終えた頃に起きる自然な変化
- イヤイヤ期と自我の芽生え
- 新しい食べ物への警戒心
- 遊び食べと気が散る環境
離乳食を終えた頃に起きる自然な変化
1歳半で食べる量が減るのは、成長のスピードがゆるやかになるためです。
赤ちゃんのころは体重が急な勢いで増え、生まれたときの体重は1歳ごろに約3倍になります。
ところが1歳を過ぎると増え方は落ち着き、体が必要とするエネルギーの増え方もゆるやかになっていきます。
食べる量が減って見えるのは、体が必要とする量の増え方が変わったためです。
親から見ると急に食が細くなったように映りますが、子どもの体のなかでは自然な変化が起きています。
助産師として相談を受けるときも、まずは体重が母子健康手帳の成長曲線に沿って増えているかを見ます。
1食ごとの量で判断すると、食べた日と食べない日の差に振り回されてしまうからです。
母子健康手帳の成長曲線を開いて、線に沿って伸びているかを確かめておきましょう。
イヤイヤ期と自我の芽生え
差し出したご飯を「いらない」と押し返すのは、自分で決めたい気持ちが育ったサインです。
1歳半ごろは自我が芽生え、イヤイヤ期が始まる子も出てくる時期です。
生活リズムも歩く道も大人が決めるなかで、食事は子どもが自分で「いる」「いらない」を選べる数少ない場面です。
だからこそ、食卓は自己主張が出やすい場所になります。
- 昨日おかわりしたメニューを今日は一口も食べない
- スプーンを近づけると手で払いのける
- 自分で持ったものしか口に入れない
どれも困った行動に見えますが、中身は「自分でやりたい」という主張です。
食べ物そのものを嫌がっているとは限らないので、与え方を変えるだけで口に入ることもあります。
新しい食べ物への警戒心
初めて見る食べ物を口に入れないのは、自分を守るしくみが働いているからです。
知らない食べ物を警戒する反応は、食物新奇性恐怖と呼ばれます。
口に入れるものを選り分けることが増えるのは、自分で歩けるようになり、行動範囲が広がる時期です。
例えば、以下のような様子が見られます。
- いつもと切り方が違うだけで手をつけない
- 見慣れない色の野菜をよけて食べる
- 混ぜご飯になると急に食べなくなる
娘も息子も、1歳ごろまでは食べられるものが増えていました。
ところが急に食べないものが出てきて、野菜をお皿から丁寧に取り除くようになりました。
警戒心が強い子は、それだけ慎重に確かめているのだと思います。
一度断られた食材でも、日をあけて食卓に出すうちに口に入ることがあります。
遊び食べと気が散る環境
食べ物をつぶしたり落としたりするのは、周囲の現象を確かめている最中だからです。
1歳半ごろは、手で触れたり落としたりして、ものがどうなるかを知ろうとします。
まわりの音や動きにも敏感な時期です。
テレビがついていたり、おもちゃが目に入る場所に座っていたりすると、食事から気持ちが離れます。
厚生労働省の「平成27年度乳幼児栄養調査」では、2歳〜3歳未満の保護者のうち41.8%が「遊び食べをする」ことで困っていると答えています。調査項目のなかで最も多い回答でした。
4割を超える家庭が同じところで困っています。
うちの子だけが落ち着かないわけではないと分かるだけでも、食卓に向き合う気持ちが変わりますよね。
1歳半が食べないときに家庭でできる工夫


食べない日が続くとメニューを変えることに気持ちが向きやすいですが、1歳半ではまず与え方と時間を見直してみましょう。
離乳食を終えたばかりのこの時期は、スプーンがまだ手になじんでおらず、授乳やミルクが残っている子もいます。
同じ「食べない」でも、2歳や3歳とは違う状況です。
ここでは1歳半ごろの子に向けて、家庭で今日から試せる工夫を5つ挙げました。
- 手づかみで持てる形にする
- 一口の量と器を小さくする
- 断られた食材も日をあけて出す
- 食事前の授乳やおやつを見直す
- 自分でやりたい気持ちに任せる
手づかみで持てる形にする
スプーンを使わせるより先に、食べ物を手で持てる形に変えると、子どもは自分で口に運べます。
1歳半はスプーンを練習している最中です。
すくえずに何度も落とすうちに、食べること自体が面倒になってしまいます。
しかし、手で持てれば、子どもがスプーンを落とし親が拾う手間がなくなります。
例えば、以下のような方法です。
- 野菜は輪切りではなくスティック状にゆでる
- ご飯は小さめのおにぎりにして数を並べる
- 魚や肉は一口大の平たい形にまとめる
手が汚れることを嫌がる子には、持つところだけ作っておくと安心です。
おにぎりには海苔を巻き、スティック野菜は片端だけ味つけをせずに残しておきましょう。
持つところがあれば手のひらまで汚れないので、食べることへの抵抗が減ります。
ここは私も何度も失敗した部分です。
「スプーンですくえない」「手について嫌」と子どもが癇癪を起こして、親子ともに消耗していました。
毎回おにぎりを作るのも大変なので、食事のなかで1つは掴めるメニューを用意したり、100均のおにぎりメーカを使ったりするなど続けられる範囲でやってみましょう。


実際にわが家でも、余裕のある時は小さいおにぎりを作っています。
おにぎりにの海苔は細切りのものを使うと、のどに詰まりづらく簡単に貼り付けられるのでおすすめです。
一口の量と器を小さくする
盛る量を減らすと、最後まで食べ切れる経験が増えます。
大きな皿に山盛りで出すと、子どもは食べる前から量に圧倒されてしまうのです。
少ない量で足りなければ、あとから足せます。
少し手間ですが、食事の残りが減るので、大人としてもメリットでした。
「完食できた」という手ごたえは、次の食事の力にもなるので、まずは食べ切れる量まで減らしてみてください。
合わせて、一口の大きさも見直しておきましょう。
離乳食を終えた直後はまだ前歯でかみ切る練習の途中です。
大人の一口をそのまま出すと、口に入れてから出してしまうことがあります。
あまり噛んでいないのでは?と心配な場合にもおすすめな方法です。
断られた食材も日をあけて出す
一度手をつけなかった食材でも、日をあけて出すうちに口に入ることがあります。
前の章で触れたとおり、1歳半は見慣れないものを警戒する時期です。
しかし、その食べ物を何度も目にするうちに警戒心が薄れていきます。
続けて出してみたり、日をあけて出したりすると、急に食べることもありました。
例えば、以下のような方法があります。
- 同じ食材を、ゆでる・焼く・混ぜるなど形を変えて出す
- 子どもの皿に少しだけ添えて、食べなくても下げる
- 親が同じものをおいしそうに食べる場面を見せる
添えた分を食べなくても、声をかけずにそのまま下げてかまいません。
食卓に並んでいる回数が増えること自体に意味があります。
食事前の授乳やおやつを見直す
食事の前の授乳やおやつを1〜2時間前までに済ませると、食卓に着くころにお腹が空いた状態になります。
1歳半は、まだ授乳やミルクが続いている子と、卒業した子が混ざる時期です。
食事の直前に飲んだり食べたりしていると、ご飯の余地が残りません。
幼児期の栄養・食生活支援ガイドでも、間食は時間を決めて1日1〜2回とし、食前に与えると食欲に影響するとされています。
何時間前までという決まりはないので、食事の1〜2時間前には食べ終えることを目安にすると生活に組み込みやすくなります。
授乳はやめる必要はありません、時間をずらしてみましょう。
飲む回数や量ではなく、食事の何時間前に飲んでいるかを見てみてください。
卒乳や断乳を急ぐかどうかは、食べムラとは別に考えて問題ありません。
わが家も1歳ごろに卒乳してからは、栄養をごはんからしっかり取らせないと考え、おやつを足すように意識しています。
ただ1日のスケジュールを組むのが難しく、おやつが食事の直前になってしまう日がありました。
おやつが近すぎた日は、ごはんがほとんど進みません。
食事の直前に果物やお菓子を出していないか、授乳のタイミングはどうか、1日の流れを振り返って確かめておきましょう。
自分でやりたい気持ちに任せる
手を出さずに任せてみると、かえって食べ進むことがあります。
1歳半は自分で決めたい気持ちがいちばん強く出る時期です。
大人がスプーンを運ぶほど「食べない」と押し返す力も強くなります。
息子が1歳半のころ、スプーンを使いたいのにすくえず、癇癪を起こす日が続きました。
「手で食べていいよ」と言っても怒ります。
スプーンを取り上げるのも嫌がり、机の上の食べかすまで「全部いらない」と払いのけました。
手を出すほど激しくなるので、落ち着くまで待つことにしました。
こぼしても散らかしても、口に入る量が増えるなら任せたほうが早いです。
ポイントは、汚れることを見越して心や環境の準備をしておくことです。
例えば、以下のような方法があります。
- スプーンを2本用意して、1本は子どもに持たせる
- いすの下に新聞紙やレジャーシートを敷いておく
- 汚れてもいい服にしてから食卓に着く
散らかることが分かっていれば、片づけの負担は先に減らせます。


心や環境の準備をしておけば、途中で止めに入らずに済みますね。
準備も面倒な時は、汚れるものと考えて、全て終わった後に片付けることもあります!
1歳半が食べないときに避けたいNG行動
工夫を試す前に、やめるだけで食卓が軽くなる行動があります。
ここでは以下の4つ挙げますが、どれも多くの家庭で起きていることです。
責任を問う話ではなく、切り替えの目印として読んでください。
- 無理に食べさせる・口へ運ぶ
- 脅すような声かけ
- 好きなものだけ与え続ける
- イライラした表情を見せる
無理に食べさせる・口へ運ぶ
口を押さえて入れようとするほど、食卓は嫌な場所として覚えられます。
1歳半は自分で決めたい気持ちが強くなる時期なので、大人が決定権を握るほど「食べたくない」と感じるようです。
あと一口だけ、という粘りがその後の拒否につながることもあります。
例えば以下のような行動があります。
- いすを引き寄せて体を押さえる
- 口を開けたすきにスプーンを入れる
- 泣いている最中に食べさせようとする
私もやってしまうことがあります…!
無理に入れた一口より、自分から口に入れた一口のほうが、ご飯への前向きな気持ちにつながります。
前の章の「与え方を変える工夫」もぜひ試してみてください。
脅すような声かけ
「食べないと◯◯できない」という言い方は、食べ物を罰と結びつけてしまいます。
「食べないとおやつはなしね」という言い方は、その場では効くように見えます。
1歳半は言葉の意味をすべて理解しているわけではありません。
しかし、声の調子と表情は大人が思うよりはっきり伝わります。
急かす声が続くと、食卓に着くこと自体を嫌がるようになります。
伝えるときは事実だけにしておきましょう。
「ごはんは、あと少しで下げるね」と先に知らせるほうが、子どもには届きます。
好きなものだけ与え続ける
確実に食べるものだけに絞ると、食べられるものがさらに減っていくことがあります。
食べない日が続くと、確実に口に入るメニューへ寄せたくなります。
食べるものだけの方が喜んでくれるし、食べないものを作るのはつらい…めちゃくちゃ分かります!!
ただ1歳半は、目にする回数で警戒がゆるむ時期なので、食卓に並ばなければ慣れる機会も失われます。
好きなものを出すこと自体は問題ありません。
そこに少しだけ別の食材を添えて、食べなくても下げる形にしておきましょう。
イライラした表情を見せる
言葉に出していなくても、表情とため息は子どもに伝わります。
食卓の空気が張り詰めると、子どもは食べることより大人の様子を見はじめます。
黙ってスマホを見る、時計を何度も確かめる、といった動きも同じように伝わります。
じゃあしんどい時どうしたらいいんだ、と思いますよね。怒らないように、と無表情でやり過ごすこともあります…
私は時々、子どもから私の顔が見えない場所へ少しだけ離れて、ちょっとだけ甘いお菓子を口にして気持ちを切り替えています。
食事中に離れるときは、一度食事を中断して子どもを安全な状態に整え、様子が見える距離までにしましょう。
4つのNG行動は、毎日の食卓では起きて当たり前のことです。一度やったからやり直せない、という話ではないので、気づいたときに意識してみましょう
イライラしたときの受け止め方は、心構えの章でまとめました。
食べムラがいつまで続くかの目安


食べムラが終わる時期に決まりはありませんが、困る家庭は年齢とともに減っていきます。
国の調査では、「むら食い」で困っている保護者は2〜3歳未満の33.4%から、5歳以上では18.6%まで下がっていました。
数字で分かる見通しと、家の中で気づける変化の2つを、以下にまとめました。
- 国の調査で見る落ち着く時期
- 食べムラが落ち着いてきたサイン
国の調査で見る落ち着く時期
「むら食い」で困る保護者の割合は、年齢が上がるごとに下がり、5歳以上では18.6%でした。
以下は、厚生労働省の乳幼児栄養調査をもとに、子どもの年齢ごとの割合をまとめた表です。
| 子どもの年齢 | 「むら食い」で困っている保護者 |
|---|---|
| 2歳〜3歳未満 | 33.4% |
| 3歳〜4歳未満 | 27.1% |
| 4歳〜5歳未満 | 25.5% |
| 5歳以上 | 18.6% |
「むら食い」について聞いた質問は2〜6歳児の保護者が対象で、1歳台の数字はありません。
割合が最も高いのは2歳〜3歳未満なので、1歳半の今がピークとは限らない点は知っておきましょう。
幼児期の栄養・食生活支援ガイドでは、1歳を含む幼児期の好き嫌いや偏食は、一時的であることが多いとされています。
いつ終わるか分からないことが、いちばんしんどいと思います。
数字が下がっていく形で見えると、少しだけ見通しがつきますね。
食べムラが落ち着いてきたサイン
終わりが近いかどうかは、数字より子どもの変化で分かります。
食べムラが落ち着いてくるとき、先に変わるのは食べた量ではありません。
食卓での様子として、以下のような目安があります。
- いすに座るまでの抵抗が減った
- 一度断った食材を、日をあけて口に入れた
- 食べられるものの種類が少しずつ増えた
- 食事にかかる時間が短くなった
- 「いらない」を言葉や身ぶりで伝えられるようになった
5つ揃わなくても、半年前と比べて1つでも増えていれば、進んでいます。
食べムラでも栄養は足りている?考え方の目安


食べない日が続くと、栄養が足りているかどうかが気になりますね。
1歳半の場合、1回の食事だけでは判断できません。
栄養が気になったときは、以下の3つを考えてみましょう。
- 1食ではなく1週間で見る
- 母乳やミルクや間食も栄養に数える
- 市販や宅配も使う選択肢
1食ではなく1週間で見る
食べた量は、1週間くらいで見ると帳尻が合っていることがあります。
幼児期の栄養・食生活支援ガイドでも、むら食いや食べない時期には1週間程度の状況を確認するとされています。
1歳半では以下のような状況もめずらしくありません。
- 朝はほとんど食べないのに、夕方に一気に食べる日がある
- 前日ほとんど口にしなかった子が、翌日はおかわりをする
1食ごとに足りたかどうかを数えると、食べなかった日の印象だけが残ります。
1日単位でも波があります。
1週間くらいの幅で考えると、思ったより食べている日が見つかります。
記録をつける必要はなく「昨日はよく食べた」「今日は少なかった」と思い出す程度で十分です。
母乳やミルクや間食も栄養に数える
1歳半は、食卓以外からもエネルギーを取っている時期です。
授乳やミルクが続いている子や、午前と午後の間食も、1歳半では食事の一部として数えます。
食事の量だけを見て「何も食べていない」と感じても、実際には1日の合計で栄養を摂れていることがあります。
- 朝・昼・夕の食事
- 午前と午後の間食
- 母乳やフォローアップミルク
- 牛乳や乳製品
そのうえで気になるときは、体重が増えているかを確かめておきましょう。
母子健康手帳の成長曲線に沿って伸びていれば、1食ごとの量に振り回されずに済みます。
市販や宅配も使う選択肢
作ったものを食べてもらえない日が続くなら、作らない日をつくってみるのもひとつです。
手をかけた食事ほど、残されたときに落ち込みます。
作る側が消耗すると、食卓の空気まで重くなってしまいますよね。
市販や宅配の幼児食は、1歳半から使えるものがあります。
週に1食でも作らない日があると、気持ちの余裕が変わります。
幼児食の宅配を何歳から使えるか気になる人に向けて、モグモは何歳から使える?実際に1歳半・2歳で試した経験から解説にまとめました。
受診の目安となるサインと相談先


食べムラだけであれば、すぐに受診が必要になることは多くありません。
ただし食べない以外の変化が重なっているときは別に考えます。
この章では、受診の目安と相談先を以下のようにまとめました。
- 水分が取れているか
- ぐったりしていないか
- 体重が増えているか
- 長引くときや、気になる症状の相談先
気になるときは、自分で判断せずかかりつけの小児科に相談してください。
水分が取れているか
食べないこと以上に、飲めていない場合は注意しましょう。
ごはんを食べない日が続いても、水分が取れていれば、1週間程度の食べ具合をみて考えられます。
逆に飲み物も受けつけない状態は、体から水分が抜けていく一方です。
水分が取れていない場合に現れる様子は以下です。
- 半日以上おしっこが出ていない
- 唇や舌が乾いていて、目がくぼんで見える
- 泣いても涙が出ない
- 半日ほど、どの飲み物も口にしない
1つだけなら、その日の気温や機嫌でも起こります。
重なるときや半日おしっこが出ていないときは、以下の相談先に相談しましょう。
ぐったりしていないか
食べないときでも、機嫌よく遊べているかどうかで見え方が変わります。
食べムラの子は、食卓では食べなくても、終わればいつもどおり動き回ります。
反対に、次のような様子は食べムラとは別の変化です。
- 遊ばずに横になりたがる
- 抱っこから降りたがらない
- 呼びかけへの反応が鈍い
発熱や嘔吐、下痢をともなうときも同じです。
食事の量ではなく、全身の様子を先に見ておきましょう。
体重が増えているか
判断の物差しになるのは、母子健康手帳の成長曲線です。
1歳を過ぎると体重の増え方はゆるやかになるので、思うように増えなくても、曲線に沿って伸びていれば急ぐ話ではありません。
気になるのは、曲線から外れて下向きに離れていく場合です。
家の体重計を使い、抱っこで体重を測り、親の体重を差し引く方法でもOKです。
月に1回、同じ時間帯に測って記録しておくと、相談するときにそのまま使えます。
体重が減っている、あるいは何か月も横ばいが続くときは、小児科に相談しておきましょう。
長引くときや、気になる症状の相談先
気になる状態が続くときは、ひとりで抱えこまず相談しましょう。
食べムラの相談と病気の診察とは窓口が分かれます。
相談内容と相談先は以下を参考にしてください。
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 食べる量や食事の進み方 | 市区町村の保健センター、1歳6か月児健診 |
| 体重の増え方、気になる症状 | かかりつけの小児科 |
| 休日や夜間の急な症状 | 子ども医療電話相談(#8000) |
また、1歳6か月児健診は、食事の相談をまとめて聞ける場です。
普段困っていることをメモして持っていくと、限られた時間でも話しやすくなります。
「うちの子だけ?」よくある状況別の対処法


同じ「食べない」でも、場面によって対応が変わります。
よく聞く以下の3つの場面について、対応のポイントをまとめました。
- お菓子ばかり食べたがるとき
- イヤイヤ期と重なったとき
- 急に食べなくなったとき
なぜそうなるのかは最初の章で触れているので、ここでは手順に絞ります。
お菓子ばかり食べたがるとき
その場で取り上げるより、置き場所と出す時間を先に決めておきましょう。
目に入る場所にお菓子があると、1歳半は指さして要求します。
お菓子は触っても危ないものではないので、届かない所にしまうという発想がありませんでした。
すると息子が自分で持ってくるようになり、断るのが大変でした。
断るたびに泣かれると、大人も消耗します。
お菓子を管理するときのポイントは以下です。
- お菓子は見えない場所にしまう
- 出す時間を1日1〜2回に決めて、器に移してから渡す
- 食事の直前1〜2時間は出さない
- 欲しがったら「お昼ごはんのあとね」と、次の区切りで答える
袋から器に移すと、出す量を大人が決められます。
イヤイヤ期と重なったとき
説得が通らない日は、AかBを選ばせる形にすると通ることがあります。
「食べる・食べない」で迫ると、返ってくる答えは「いや」だけになります。
どちらを選んでも大人が困らない二択にして、子どもの決めたい気持ちを満たしてあげましょう。
- 「赤いお皿と青いお皿、どっちにする」と器を選ばせる
- 「フォークと手、どっちで食べる」と道具を選ばせる
- 泣きや拒否が強い日は、いったん食卓から下ろして時間をあける
三択以上にすると迷って決まらないので、二択までにしておきましょう。
急に食べなくなったとき
昨日まで食べていたのに急に止まったときは、まずは子どもの様子を確かめましょう。
メニューも器も時間も一度に変えたくなりますが、同時に変えると何が効いたのか分からなくなります。
- 熱、機嫌、うんちの様子を確かめる
- 口の中に口内炎や歯ぐきの腫れがないか見る
- 水分が取れていれば、食事の中身は変えずに出し続ける
- 続くときは、与え方を1つずつ変えてみる
1歳半は奥歯が生えてくる時期と重なり、生えかけで歯ぐきが腫れていると、噛むこと自体がつらくなります。
やわらかいものは食べるのに噛むものを嫌がるときは、口の中をのぞいてみてください。
急に全く食べないと思ったら、子どもが手足口病にかかっていて、口の中が痛かったためだった経験もあります。
水分が取れない、ぐったりしているといった様子があるときは、すぐに相談してください。
心構えは「食べさせなきゃ」を手放すこと


工夫を全部試しても食べない日は、一度「食べさせる」役目から気持ちだけでも降りてみましょう。
親の気持ち軽くなると、食卓の空気も変わり、子どもが口に入れる量も変わります。
遠回りに見えて、いちばん近い道になることもあります。
心構えのポイントは以下の3つです。
- 食べることは子どもの仕事
- できるようになったことに注目
- きょうだいで違う個人差
食べることは子どもの仕事
親の仕事は出すところまでで、食べるかどうかを決めるのは子どもです。
何をいつ出すかは大人が決められますが、口に入れるかどうかは、大人がどうやっても決められません。
境目をはっきりさせると、食べなかった日を失敗と感じにくくなります。
食事を出す・並べる・子どもを座らせるところまでが大人の担当です。そこから先は子どもに任せてしまいましょう。
役割を分けておくと、残されたときの受け止め方が変わります。
毎食きちんと食べさせようとすると、先に力尽きるのは親です。
食事の品数がそろわない日は、市販のものや前の日の残りで十分です。
できるようになったことに注目
食べた量ではなく、半年前と比べてできるようになったことを数えてみてください。
食べない日が続くと、できていないところばかりが目につきます。
ただ1歳半の子は、離乳食を始めたころと比べて驚くほど変わっています。
- いすに座っていられる時間が延びた
- コップから飲めるようになった
- 自分で手を伸ばして口に運べる
- 食べたい・いらないを伝えられる
息子が癇癪を起こして辛くなった日も、よく見ると反対の手でお皿を押さえられるようになっていました。
食べた量だけを見ていたら、気づかないままでした。
「いらない」と伝えられるようになったことも、成長の一つです。
きょうだいで違う個人差
同じ家で同じものを出しても、食べ方は子どもによって分かれます。
わが家は年子のきょうだいです。
娘はもともと食が細く、1歳半ごろから食べムラと好き嫌いが出てきました。
息子は離乳食のころからよく食べる子でした。
反対に、食卓で困る場面はよく似ていました。
- スプーンがうまく使えずに怒る
- 手が汚れて怒る
- 食事の後半で立ち上がる
- 噛まずに丸呑みしているように見える
はっきり違ったのは、この2つです。
- 娘は1歳半で卵も食べなくなり、息子は食べムラが出てきても卵をよく食べる
- 食事の序盤でもお皿だけ放り投げるのは息子だけ
2人目はよく食べる子だから大丈夫、と思っていました。
その息子も1歳半から選り好みが始まって、食事の時間はむしろ大変になりました。


きょうだいで同じような対応をしていても、反応は違います。
よその子と比べる必要はありません。
よくある質問
1歳半の食事でとくに相談が多く、本文で触れきれなかった質問を4つまとめました。
- 食べムラと偏食の違いは何ですか?
-
食べムラは「昨日は完食したのに、今日は一口しか食べない日がある」ように、日によって食べる量や中身が変わる状態です。
一方偏食は「白いご飯とパンしか食べない」ような、食べられるものの種類が決まっている状態です。
1歳半では、どちらも同時に出ることがあります。
厚生労働省の調査では、2歳〜3歳未満で「むら食い」に困る保護者が33.4%でした。
「偏食する」は32.1%なので、どちらも同じような時期に現れる食事の悩みです。
- スプーンを促しても、手づかみ食べばかりしますが大丈夫ですか?
-
無理に持たせず、手づかみに戻してみましょう。
いま大事なのは、スプーンを使えることではなく、自分で口に運べることです。
手で食べる時期を十分に過ごした子は、あとからスプーンに移りやすくなります。
- 保育園では食べるのに、家では食べないのはなぜですか?
-
場所と人が変わると食べ方も変わります。
家では甘えが出ているだけのことが多いです。
保育園では、同じ年ごろの子が並んで食べています。
席を立ちにくい環境で、まわりにつられて口に入ることもあります。
家では甘えられる相手がいるため、食べないという形で、素直な気持ちを表現しているのだと思います。
園で食べているなら、食べる力そのものは育っています。
- 母乳やミルクを欲しがるのは、食べないことに関係ありますか?
-
関係することはあります。
ただし、授乳をやめなければ食べない、ということではありません。
食事の直前に飲んでいると、食卓ではお腹がいっぱいのままです。
飲む時間を食事から離すだけで、食べる量が変わることがあります。
5つの工夫の章でも触れたとおり、卒乳や断乳を進めるかどうかは、食べムラとは切り離して考えましょう。
授乳は栄養だけでなく、子どもが安心したいという気持ちを満たす役目も持あります。
まとめ 1歳半が食べないときは、1つずつできることから試そう
1歳半で急にご飯を食べなくなるのは、離乳食を終えた時期に起きる体と心の変化が重なるためです。
育て方の問題ではありません。
食べムラは年齢とともに減っていきます。
厚生労働省の調査では、「むら食い」に困る保護者は2歳〜3歳未満で33.4%、5歳以上では18.6%まで下がっていました。
今がいちばんしんどい時期かもしれませんが、ずっと続く話ではありません。
- スプーンではなく手で持てる形にして出します
- 盛る量を減らして、小さい器に変えます
- 断られた食材も、日をあけてもう一度出します
- 食事の前の授乳やおやつの時間をずらします
- こぼれる準備をしてから、自分で食べるのに任せます
一度に始める必要はないので、今日の夕食で1つ選んで試してみてください。
水分が取れない、ぐったりしている、体重が増えないといった様子があるときは、食事の工夫より先にかかりつけの小児科へ相談しましょう。
作ったものを食べてもらえない日が続くときは、作らない日をつくることも選択肢のひとつです。
幼児食の宅配が何歳から使えるか気になっている人は、モグモは何歳から使える?実際に1歳半・2歳で試した経験から解説でまとめています。
2歳を過ぎてからの食べない悩みについては、2歳児がご飯を食べない…イライラするときに試したい7つの工夫もあわせてご覧ください。
この記事で参考にした資料
※1 厚生労働科学研究班「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド【確定版】」(令和4年3月)
https://sukoyaka21.cfa.go.jp/media/tools/s04_nyu_gai003.pdf
※2 厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000134208.html
※3 厚生労働省「上手な医療のかかり方」プロジェクト
https://kakarikata.mhlw.go.jp/assets/pdf/slide.pdf




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